Mファン風邪 |
BASICでは使われないページ1のメインRAM(アドレス4000h~7FFFh、いわゆる裏RAM)を、ROMであるかのように偽装する技。
ROMの場合、ページ1の先頭20バイトにはヘッダとして、ROMであることを示す識別子('AB')と、初期化ルーチンの先頭アドレスやBASIC命令を拡張した場合の処理ルーチンの先頭アドレスが格納されている仕様となっている。
リセットしただけではRAMの内容はまず消去されないことを利用し、このROMヘッダをあらかじめ裏RAMに書き込んでおくことで、ROMカートリッジであるかのように振る舞わせることができる。
ディスクステーションにおいて、Mファンがこの技を利用して「リセットするごとにメニューが変わり、所定の手順でメニューを終了しない限りメニューが常駐し続ける」メニューを一種のジョークとして仕込み、この「リセットしても亡霊のように居座り続ける」所作を風邪に見立ててMファン風邪と呼んだ。
違法コピーしたROMゲームを遊ぶ手段として使われたり、Mファン風邪の事例にもあるようにウィルスにも悪用可能な今で言うセキュリティホールであったため、MSX2+以降では起動時にROMの識別子を上書き消去する修正が為された。
これにより上述のMファン風邪も、MSX2+以降では「感染」できず普通のメニューとして動作する。